ギャングソー
※動画では、加工機を通過した合板が小割カットされている様子が分かりやすく確認して頂けると思います。
■ギャングソーとは
丸鋸(チップソー)にて合板を縦に挽き割る機械です。
機械内部に多数の丸鋸を取り付けることができ、自動送り装置によってラインを流れる幅広の合板を多数の小割り材に挽き出すことができる木工加工機。一度の送材で多数の小割り材に挽き出すことができる高能率な機械であり、生産性が高い。
■稼働時の注意点
カットする小割り材の寸法は、鋸と鋸の間に間座(かんざ)というスペーサー金物をセットし、間座の幅によって調整しているが、多数の丸鋸を取り付けるので切削抵抗も大きくなり、鋸の歯形や切れ味が不揃いにならないように調整・メンテナンスが必要となる。(鋸の研磨や交換を定期的に行う必要がある)
■安全について
加工機には「反ぱつ」防止対策として、鉄製の跳ね返り防止装置を備えており、作業者の方へのはね返りを防いでいる。
※反ぱつ…木材が鋸の回転で跳ね上げられてしまう現象。特に木材と鋸が接触する瞬間に多く、跳ね上がった木材があたってしまうこともあり、作業者に危険を及ぼす。
■当社ギャングソーの特徴
投入幅が300㎜、もしくは600㎜の加工機が多い中、当社の加工機は幅1,200㎜まで投入が可能。また長さは4000㎜、厚みは39㎜まで対応しているので、大型合板での加工が可能です。
■大型合板使用のメリット
一度の投入で多数の小割カットができるので生産性がより高くなります。また仕上寸法を計算し、数サイズの取り合わせを行えば歩留りを高めることが可能です。
このように、ロスを極力下げ、一度の投入で効率的に小割カットが行えることが当社の強みの1つです。
■ギャングソーだけじゃない ‐当社の合わせ技-
当社には合板をつなぎ合わせる「スカーフ工程」と、合板を貼り合わせる「積層工程」があります。この2つの工程とギャングソーをかけ合わせることも可能です。
例えば、希望のサイズ、合板の種類(南洋材、国産針葉樹など)、合板+MDF・パーチクルボードの複合基材などを製造し、お客様のニーズにあった合板・原板をギャングソーで小割することも可能です。
当社工場にてワンストップで製造することにより、カット品によっては納期やコスト(運送費等)のメリットが出てくるものも少なくありません。
■余談ですが…
ギャングソーという加工機名を聞いた時、「ギャング」という言葉に海外の暴力的犯罪者の組織を想像し、素行が悪いなどのマイナスイメージに違和感を感じる人もいるようです。
しかしこの加工機の「ギャング」の意味は「群れ」であり、ソーは「丸鋸」を意味しています。つまり名前の由来は鋸が群れのように並んでいる姿からで、いわゆる「ギャング集団」のギャングとは意味が違うようです。