「日々進化のために」
ほんの数日前のことですが、工場内でまるまる半日を過ごすことがありました。その日は少し考えるところがあって、上下作業服に安全靴を履いて入ったところ、普段スラックスにワイシャツで工場に足を踏み入れるのとは違った空気が感じ取れました。
考えてみれば、メーカーの社長(イコール工場のオヤジ)なのですから、何を今さらという話です。自分の会社、自分の工場。中に溶け込んでいなかったこれまでの方が、どうかしていただけのことです。しかしながら、日頃と違ういでたちのおかげかどうか、作業にあたってくれている社員さんたちの息づかいが聞こえてくるような気がしました。当たり前のように材料の合板が届けられ、当たり前のように加工されて出荷を待つ。その一つ一つのプロセスがより鮮やかに見えました。
工場内では5S活動を推進していることもあり、5年前と比較すると見違えるほどに整理整頓は進んでいます。気持ちよく仕事のできる環境は、社員さんたちが自らの手で勝ち取ってくれているのです。
されど、改善の基本は「今を最低と思え」。これでよしと思った瞬間に進歩は止まります。異業種を含め、他社が実践されている高度なレベルから比較すると、まだまだノビシロはたっぷりあると自覚しています。
評論や耳学問の受け売りや押し付けでなく、より現場に近いところでこそ見聞きできる小さな課題の数々と向き合い、お客様の声を聴いて「合板加工の開発工場」を進化させていきたいと強く願うのです。