PRESIDENT社長ブログ

マスクの中の笑顔

9月と言うのに鐘や太鼓が聞こえてこない。静寂の岸和田は実に75年ぶり、終戦の年以来のできごとらしい。ボクはもともと見る阿呆なので、本当の寂しさを味わっているわけではない。とはいえ、昨年までの常識が通らない象徴的なできごとのひとつではある。

久しぶりに会うことが叶った人に、感染防止と経済活動のバランスについて尋ねてみると、それこそ十人十色。おかれた環境もあり、価値観もあって、帰ってくる答えはさまざまながら、それらは二律背反であって欲しくないと思う。

3月から4月ごろの払底状態を経て、マスク着用が新しい常識として定着した。GW明けの緊急事態宣言下、岸和田を出てただ一度大阪市内に出向いたのは、知人のご厚意で特別調達できたマスクを受け取るためだった。その後、思いのほか爽やかだった6月が過ぎて、8月にかけての当社工場では、熱中症対策の方が深刻だと判断し、工場内でのマスク着用は義務づけしなかった。

過去と他人と環境は変えられないのだから、自分の思考と行動を選択して、自らの未来を変えていくのだという教えがある。成功哲学、行動心理学、目標達成の技術などに触れると、これらは少しだけ表現を変えては、繰り返し登場する原理原則なのだと確信する。自社の方針を定めるにあたってのSWOT分析も同じ。外部環境を変えようともがくのはただ虚しい。身の置き所を選ぶことも含めて、コントロールできる自分の行動にこそ集中すべきなのだ。

翻って、ふとマスクに覆われた自分の顔を思う。剃り忘れた無精ひげとか、食後の口臭とか、マスクを隠れ蓑に使うことを考えてしまう自分は格好悪い。人の表情が読みにくいと感じるのと裏腹に、自分は自分の顔を都合よくごまかしてはいないか?IMG_4490.jpgのサムネイル画像

マスクをこの環境ゆえの必須アイテムと割り切れば、マスクの内側の自分こそがコントロールすべき対象だ。さすれば、大切な人のために、マスクを突き抜けるくらいの笑顔を届けよう。大切な仕事のために、マスクが焦げるくらいの情熱を燃やそう。

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綱渡りのように猛暑を潜り抜けた、静かな岸和田にも秋風が吹き始めている。来年への準備はひそかにスタートを切っている。

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