PRESIDENT社長ブログ

ハコモノとタマシイ

令和元年が健やかに明けて、はや1カ月、いやまだ1カ月?新しい時代を迎える準備は間に合っているかと自問してみる。

「健全な肉体には健全な精神が宿る」という言葉は、原典からすると少し違う使われ方をしているらしい。もともとは、「健全な体に健全な精神が宿れかし(宿ってほしいものだ)」。すなわち、「健全な肉体と健全な精神の両方を得られるならすばらしいことだ」といったところだろうか。いま一般に使われている、肉体を鍛えれば精神もそれについてくるという解釈になったのは、ナチスドイツが軍隊強化のために、体力増強の重要性を喧伝した結果との説があるらしい。天が二物を与えるのは、いったいどんな背景なのだろうか。

今、真新しいパソコンでこの文章を作成している。知らぬ間にバージョンアップを繰り返すウィンドウズ10とはどこの世界の話かと、これまでしらんふりを決めてきたのだが、令和元年に第34期を迎えるにあたって、全社のパソコンを一気に新調したからである。

それほど膨大なデータを処理しているとも思わないのだが、パソコンの動きが遅くて伝票発行が停滞するなどのトラブルが時折発生するのを見て、ええいとばかりに20台ほどを一気に新調した。データ処理量にもよるが、これで当面、パソコンが古くて重くて不具合などということがなくなるのを期待したい。そして、この端末もなかなかに快適である。

思い起こすと、約1年前には製造課のプレハブ事務所を一斉更新した。誠に申し訳ないことに、30年にも及んで使い続けていたものもあり、床も天井も相当な傷みが発生していた。程度のいい現物展示品をかき集めて6ユニットを新調したところ、9月の台風21号も一部ガラスが割れた程度で無事にやり過ごしてくれた。プレハブとパソコン。工場と事務所。2年連続でハコモノを一斉更新したことになる。

真新しいハコモノ。ハードを目の前に、ぼくらの仕事ぶりはどのようにあるべきか?

安全で衛生的な職場環境の整備や品質管理体制の整ったものづくり。そして事務作業の効率化などのために、社員のみんなの顔つきが変わってきた気がするのだ。タイミング的には偶然の一致。そこに因果関係があるとは思わない。けれど、なんだか健全な肉体と健全な精神が両立していく予感がある。

当社の経営理念は、「わたしたちは大地と太陽の恵みを感じ、それらに育まれた木を愛します」というフレーズで始まる。ここでいう大地と太陽は、物心の両面を言い換えたものだ。母なる大地と父のような太陽。それらは物質的なものと精神的なもの。優しさと勇気。その父母から生まれし木を加工した合板を加工することで、ぼくらの仕事は成り立っている。物心両面がそろってはじめて、その恵みにあずかることができる。

昨年から企画したことだが、今月はじめに地元岸和田の小学生が社会見学で当社工場を訪問してくれる。何も言わなくても、社員のみなさんは工場をピカピカに磨き上げてくれている。なんだかうれしいなあ。

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