PRESIDENT社長ブログ

春の訪れより先に

春の訪れより先に、ありがたくないウィルスの襲来で、いつもと違う日々が続きついに3月になった。

かまびすしいニュースと、欲しいものが手に入りにくくなった日常のはざまで、それでもぼくらは朝起きては出社して、仕事を終えて家に戻る。残念ながら、製造業のわれわれにテレワークという言葉は、あたりまえのことだが虚しく響く。

そんなさなか、直帰予定であった外出先から会社に戻ったある日のこと。なんとなく社内が騒々しい。ウィルスとは何の関係もない、工場の稼働のなかで起きた結構シビアなトラブルに、担当するみんなが全力で立ち向かってくれていたのだ。

ここ近年でこそ、毎年新しい機械(程度のいい中古も含めて)を導入して、わが工場のなかはそれなりに近代化が進んでいるが、一方で年代物の加工機もそれなりに幅を利かせている。大事に使い込んで、黒光りでもしているかのような、新品では味わえない愛おしさあふれるマシーンである。

その日、とあるオールドマシーン君は、少し機嫌を損ねたようである。細かく響く異音とともに、本来の動きをとめてしまった。しかしながら、納期を厳守することがとりえともいえる当社の工場。現場は、言い訳の前に自ら動き出した。

お客様が何を求めているかの想像力を十二分に発揮して、工場内でできる最大限の対応をやってのけてくれたわが社員たち。同じく忙しく稼働しているほかの機械を駆使し、残業時間を工面して納期通りの対応をこなしてくれた。作業性は劣り、その分作業者にも負荷がかかるものの、時間を少し余分にかけて追いつくことはできた。

同時進行で、傷んだマシーンの修繕も必要となる。専門家にも駆けつけてもらい、緊急で部品を取り寄せて、翌々日には完全復旧とあいなった。現場力がめきめきと音をたてて成長しているのを感じる。お客様に、納期通りに商品をお届けするという使命感はしっかり根付いている。

ご発注をいただいているお客様の立場からすると、ごく当たり前の流れの舞台裏に過ぎないことだ。わざわざこの項に書かなければ、何事もなかったかのように過ぎ去っていくだけの話である。IMG_2511.jpg

だからこそこの非日常を、感謝と誇りをこめて文字に残しておきたい。うちの会社、コロナなんかに負けずに、結構イケてると思うから。ああ、夕焼けがきれいだなあ。

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