ドリルを買う人が欲しいもの
例えばホームセンターに、ドリルを買いに来た人が本当にしたいのは、「穴を開ける」ことで、ドリルを買うのはその手段でしかない。この話は何度となく聞いたことがあったのですが、改めて調べると「レビットの法則」と呼ばれるマーケティング理論とのことでした。
ひるがえって、わが社の製品はお客様に何をお届けしているかと考えてみる。製品の仕様や製法、特徴などは、どちらかというと作る側の理屈で成り立っているのかも知れません。
コンクリート造の建物に外装をタイル貼りでする場合、長期間にわたる確かな密着のため、一度仕上げたコンクリートの壁面を、高圧洗浄して荒らす工程があります。この例でいうと、高圧洗浄機が上記のドリルにあたります。
先ごろ業界紙でもご紹介いただいた、「枠楽(わくら)」という商品は、コンクリート型枠用合板の一種です。製品仕様は12ミリ厚の合板にウレタン塗装をする代わりに、表面に特殊なエンボスシートを貼りあげています。
これを型枠に使うとコンクリートの仕上がり面には、細かい凹凸が転写されます。タイル貼りなどの際に必要な、高圧水流による目荒らし工程を省略できるというのがその効能です。
また、同じくわが社で製造しているウレタン塗装合板を使って、このほど「カホン」という楽器を制作してみました。人が腰掛けて叩く、直方体の打楽器の構造は、良い音を出すために様々な工夫がされていますが、その大元は6枚の板から成り立っています。
資源の有効活用の観点から始めた社内でのワークショップですが、このカホンを商品化するとすれば、お買い求めになるのはどんな人たちなのでしょう。
その創造を膨らませながら、趣味の延長線上に小さな事業のヒントがあり、社会活動の延長に需要創造がある。そんな事例を作りたくて、今うずうずしているのです。
